前回、周囲の対処法として3つの大切なポイント
についてお話しました。今回は残りの2つについてお話したいと思います。
皆様は、人の相談に乗っている最中に、「なんて言ったらいいのか分からない」「なにか気の利いた事を言った方がいいのだけれど、思いつかない」と思ったことはないでしょうか。
私も、精神科医として毎日のように悩みを聞いておりますが、良い言葉が思いつかないこともしばしばあります。
実際のところ、その人自身が自分で決めるしかない場合もあれば、答え自体がない場合もあります。
そういうとき、良い助言をしようと焦ってはいけません。まずは、自分の気持ちを平静に保ち、自然体で話すことが必要です。もし、自分の意見があったとしても、あくまで相手の考え方や感情を尊重し、こういう考え方もあると話すだけで十分です。
悩みの種類も様々ですが、一見その人を苦しめている悩みが、その人の人生にとって、なにか重要な意味がある場合もあります。
人は悩みを、信頼できる人に話します。そういった意味では、信頼を損ねるようなこをしてはいけません。それ故、秘密を漏らすことはいけないということになります。
人の悩みに自分が接する機会があれば、その人の感情を共感しながら、その人の考え方や生き方を尊重し、信じることです。自分がそのように接することで、相手も自分を信じ、頼りにすることでしょう。